Poker Room Passport English

ポーカーのレーキとは

レーキは、ポーカールームがポットから抜く手数料です。「5%」「10%」という数字だけを見て安いルームを選ぶと、実際のコストを読み違えます。このページでは、当サイトに掲載しているアジアの実在ポーカールーム49軒のレーキ実データを使って、レーキ・キャップ・ジャックポットレーキが手取りにどう効くかを整理します。

レーキの3つの要素

ライブポーカーのレーキは、次の3つがセットで決まります。どれか1つだけを見ても実際のコストは分かりません。

レーキ率ポットから抜かれる割合。5%か10%が主流。
キャップ(cap)1ハンドあたりの上限額。BB(ビッグブラインド)何個分かで表記される。
ジャックポットレーキ(JP)ジャックポットの原資として、レーキとは別枠で抜かれる固定額。

キャップがあるので、5%と10%の差は途中で消える

ここが一番誤解されやすいところです。レーキ率はポットが小さいうちだけ効いて、キャップに達した時点で差がゼロになります。

50/100(BB=100)で、キャップが4BB=400のときのポットサイズ別レーキが下の表です。

ポットレーキ5%レーキ10%差
1,0005010050
2,000100200100
3,000150300150
4,000200400(cap)200
6,000300400(cap)100
8,000400(cap)400(cap)—
10,000400(cap)400(cap)—

10%側はポット4,000でキャップに到達し、5%側は8,000で到達します。つまりポットが8,000を超えると、5%のルームも10%のルームもレーキは同額です。5%が効くのはそれより小さいポットに限られます。

言い換えると、5%のルームが有利なのは「小さめのポットを数多く消化するゲーム」です。大きいポットが多いテーブルでは、レーキ率よりキャップの数字(4BBか5BBか)のほうが効きます。

ジャックポットレーキは別枠で抜かれる

JPレーキはキャップとは無関係に、毎ハンド固定で抜かれます。ここを見落とすと順位が入れ替わります。

50/100で、キャップに達したハンド1回あたりに抜かれる合計額(キャップ+JP)を実データで並べたのが下の表です。

ポーカールームエリアレーキcapJP合計(cap時)
Poker Brothers Manilaマニラ10%4BB—400
Metro Card Club Manilaマニラ10%4BB—400
City of Dreams Manila Poker Roomマニラ10%4BB50450
PokerStars LIVE Okada Manilaマニラ10%4BB50450
Newport World Resorts Poker Roomマニラ5%4BB100500
Masters Poker Clubマニラ10%5BB—500
NUSTAR Casino & Resort / NUSTAR Poker Roomセブ10%4BB100500
Waterfront Cebu City Hotel & Casinoセブ10%4BB100500
Voyagers Poker Roomセブ10%4BB100500
GOLDENBELL POKER CLUBセブ10%4BB100500
Prime Poker Club Manilaマニラ10%5BB—500
Royce / Jupiter Pokerアンヘレス10%5BB100600
Wild Aces Poker Sports Clubアンヘレス10%5BB100600
Casino Filipino Angeles / Century Pokerアンヘレス10%5BB100600

レーキ率だけ見ると5%のルームが最安に見えますが、キャップに達したポットでは順位が変わることがあります。JPレーキの有無と額まで含めて比べないと、実際のコストは出ません。

「なし/不明」「未確認」のルームはこの表から除いています。掲載しているのは確認できた数字だけです。

1時間あたりでどれくらい抜かれるのか

感覚を掴むための試算です。1時間25ハンド・すべてキャップに達すると仮定した場合、テーブル全体から抜かれる額はこうなります。

条件1ハンド1時間(25ハンド)
cap 4BB(JPなし)40010,000
cap 4BB + JP5045011,250
cap 5BB(JPなし)50012,500
cap 5BB + JP10060015,000

実際には全ハンドがキャップに達するわけではないので、これは上限側の目安です。それでも cap 4BB と cap 5BB の差が1時間で2,500、JPレーキ100の有無が1時間で2,500動くことは押さえておく価値があります。

エリアごとのレーキの傾向

掲載しているルームの実データをエリア単位でまとめるとこうなります。

エリア50/100のレーキ傾向掲載数
マニラ5% 4BB +JP100、10% 4BB +JP50、10% 5BB、10% 4BB、10% 未確認8軒
アンヘレス10% 5BB +JP1003軒
セブ10% 4BB +JP1004軒
ソウル・仁川50/100のレーキ情報なし3軒
チェジュ50/100のレーキ情報なし2軒
マカオ50/100のレーキ情報なし2軒
台北50/100のレーキ情報なし8軒
ラスベガス・ストリップ50/100のレーキ情報なし9軒
ラスベガス・ローカル / ダウンタウン50/100のレーキ情報なし8軒
ロサンゼルス50/100のレーキ情報なし6軒

ラスベガスと比べると、アジアのレーキは相当重い

レーキの重さは通貨で比べても意味がありません。BB(ビッグブラインド)何個ぶんかに直すと同じ物差しで並べられます。ラスベガスは金額のキャップ($5前後)で、アジアはBB建てのキャップという違いがあるので、ここを揃えると差がはっきり出ます。

エリア / レートキャップJPレーキBB換算の合計
ラスベガス 2/5(BB=$5)$5なし〜$31.0〜1.6BB
ラスベガス 1/3(BB=$3)$5なし〜$31.7〜2.7BB
マニラ 50/100(BB=100)4BB50〜1004.5〜5.0BB
アンヘレス 25/50(BB=50)6BB1008.0BB
セブ 25/50(BB=50)6BB1008.0BB

アジアの25/50はベガスの3〜5倍レーキが重いということになります。ベガスはキャップが金額で固定されているので、レートを上げるほどBB換算では軽くなるのも大きな違いです。2/5なら1ハンド1BBで頭打ちになります。

ベガスのレーキはルームによって$5〜$6とばらつきがあり、ジャックポットドロップも$0〜$3と差があります。出典によって数字が食い違うことも多いので、掲載値は目安として見てください。

ラスベガスは「キャップ+ドロップ」で見ないと順位が変わる

ベガスのレーキはどこも10%・$5前後で似て見えますが、ジャックポット/プロモのドロップを足すと倍近い差になります。ドロップはキャップとは別枠で、毎ハンド抜かれます。

ポーカールームエリアキャップドロップ合計(1ハンド最大)
Skylineローカル / ダウンタウン$3なし/不明$3
Bellagioストリップ$5なし$5
Wynnストリップ$5なし$5
ARIAストリップ$6なし$6
Caesars Palaceストリップ$6なし$6
Mandalay Bayストリップ$5$1$6
Venetianストリップ$5$2$7
Westgateストリップ$5$2$7
Orleansローカル / ダウンタウン$5$2$7
MGM Grandストリップ$6$2$8
Golden Nuggetローカル / ダウンタウン$6$2$8
South Pointローカル / ダウンタウン$5$3$8
Red Rockローカル / ダウンタウン$6$2$8
Boulder Stationローカル / ダウンタウン$6$2$8
Santa Fe Stationローカル / ダウンタウン$6$2$8
Green Valley Ranchローカル / ダウンタウン$5最大$5$10

キャップが同じ$5でも、ドロップの有無で$5と$10の差がつきます。ドロップが無いルームはそのぶんプロモやジャックポットも無いので、還元を受け取らない打ち方なら払い損になります。短期の遠征で高額ジャックポットを狙う気がないなら、ドロップの小さいルームを選ぶほうが理屈に合います。

上限どうしの比較なので、実際の1ハンド平均はこれより低くなります。ドロップも段階制のことが多く、小さいポットでは満額まで取られません。

ロサンゼルスは「固定レーキ」で、まったく別の計算になる

カリフォルニアのカードルームは、法律上ハウスがポットから割合で取ることができません。そのためポットの大小に関係なく1ハンドいくらの固定額を取ります。%でもキャップでもないので、ここまでの話がそのままは当てはまりません。

ロスの主要どころは$1-2〜$5-5で1ハンド$4〜7が相場です。実効レートに直すと、ポットが小さいほど極端に重くなります。

ポット固定$7の実効レート参考:10%・$5 cap なら
$3023.3%$3(10%)
$5014.0%$5(cap)
$1007.0%$5(cap)
$2003.5%$5(cap)
$4001.8%$5(cap)

%+キャップの構造とは効き方が真逆です。%制は小さいポットで軽く大きいポットで頭打ちになりますが、固定制は小さいポットで極端に重く、大きいポットほど軽くなります。

BB換算でも差が出ます。$1-2(BB=$2)で$7固定なら毎ハンド3.5BB。ラスベガスの1/3が$5 cap=1.7BBで、しかもキャップに達するのは大きいポットだけ、という条件と比べると相当な差です。

その代わり、レーキが重いぶんプロが定着しにくくゲームは柔らかいと言われます。小さいポットを数多く拾う打ち方はロスでは成立しにくいので、参加するハンドを絞ってポットを大きくする方向に寄せることになります。$10-20以上のハイレートでは30分$10〜15の時間制に切り替わるため、そこではハンド数が多いほど有利になります。

ロサンゼルスのカードルームを見る →

台湾は「時限式」で、そもそもレーキではない

台湾は現金を貭けるキャッシュゲームが違法で、技能を競うトーナメントだけが合法です。そのため各ルームは時限式キャッシュを採っています。制限時間つきの1セッションを買い、終了時点のスタックをICMで精算する形式です。

つまりポットからは何も引かれません。コストはバイインに乗る参加費だけで、セッションに1回しかかかりません。

例(Ace8のNT$11,000卓)バイイン NT$11,000 / 参加費 NT$1,000 / 10万点スタート
ブラインド200/400を60分 → 300/600
終了120分でスタックをICM精算

参加費はバイインの9.1%ですが、これは「1ハンドごと」ではなく1セッションごと。ライブで120分ならおおむね50〜60ハンドなので、1ハンドあたりに直すと 約 NT$18、BB換算で 0.045BB になります。

構造何に対して取られるか1ハンドのBB換算(目安)
台湾(時限式)1セッションに1回の参加費約 0.05BB
ラスベガス 2/5ポット(キャップ+ドロップ)1.0〜1.6BB
マニラ 50/100ポット(キャップ+JP)4.5〜5.0BB
ロサンゼルス $1-21ハンドごとの固定額3.5BB

数字だけ見ると台湾が桁違いに安いことになります。ただしこれはレーキと参加費を並べているので、厳密には同じものではありません。実際には次の制約がつきます。

  • 途中でスタックを持ち帰れない。終了時にICMで精算されるので、勝っているところで席を立つ「勝ち逃げ」ができない
  • 再エントリーするたびに参加費がかかる。短いスパンで飛ばされると実効コストは上がる
  • スタックが毎セッションリセットされるので、ディープスタックを育てる遊び方ができない
  • ブラインドが途中で上がるので、後半は相対的にスタックが浅くなる。実質はトーナメントに近い

逆に言えば、時間を決めて打つならコストは非常に軽いということです。レーキを気にせずにハンド数をこなせるのは、他のエリアには無い台湾の利点です。

台北のポーカールームを見る →

ラスベガスは「ノーフロップ・ノードロップ」

ラスベガスのポーカールームはほぼ全てがノーフロップ・ノードロップを採用しています。フロップが開く前に決着したハンドからはレーキを取らない、というルールです。

プリフロップのオープンに全員降りたハンドはレーキ0なので、タイトに打つ人ほど実質のレーキ負担が下がります。1ハンドあたりの平均レーキは、キャップの額よりかなり低くなります。

またレーキは$1刻みで抜かれるのが一般的で、ポットが小さいうちは$1、$2と段階的に上がっていきます。

結局どう選ぶか

  • 小さめのポットを数多く打つならレーキ率(5%か10%か)が効く
  • 大きいポットが多いならレーキ率は関係なくなり、キャップの数字(4BBか5BBか)で決まる
  • JPレーキは毎ハンド固定なのでハンド数が多いほど効く。レーキ率より先に確認する価値がある
  • レートを上げられるならベガスが圧倒的に軽い。キャップが金額固定なので、2/5以上ではBB換算1BB前後まで下がる
  • レーキは現地で変わることがある。掲載している数字は確認時点のもので、訪問前の確認を前提にしてほしい

掲載ポーカールーム53軒をレーキで比較する →

エリア別のポーカールーム